経験専門家の成長日誌 「足跡」 3 【後編】
経験専門家の成長日誌「足跡」三歩目
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目次
はじめに
皆さんこんにちはコラム担当、担当Oです。
さてさて、今回は後編!前編に引き続き「逃げ出した時の事」についてお話ししていきたいと思います。
前編はどんな流れで私が飛び出したかについてお話しました。
後編ではその続きと今回のチャレンジでどんな変化があったかについてお話しできればと思います。
それでは本編です。
断腸の思いで...
足の痛みと両手足の冷たさに焦りが見え隠れする担当O。
歩き続けますが中々駅が見つかりません。
「このままではまずい」と道歩く人に道を尋ねる選択肢が自分の中に生まれました。しかしそこはひきこもり。こんな状況になっても人に話しかける勇気はありませんでした。
私は仕方なく重い足取りであてもなく知らない町を歩き続けます。
しばらく歩いていると赤い光が見えました。
交番でした。
普通の人であれば交番で道を尋ねるなんてことは、街行く人に急に聞くよりよっぽど気が楽なのではないでしょうか?
ですが私にはそれすらできません。それでも数時間歩き続けて見つけた交番です。ここで諦めればこの交番にも戻ることが出来るか分かりません。
その時の私は「話したくない気持ち」と「焦り」の葛藤の間に居ました。
そして交番の前の道を何度も行き来するという奇行を始めました。
まるで不審者です。でも私にとっては「話したくない」を何かが打ち破ろうとしている瞬間でもありました。
そうして40分程度は続けたでしょうか。まるで不審者の担当Oは吹っ切れて交番に入りました。
「すみません、○○(最寄り)駅って、ここからどう行けばいいですかね?」
心の中で熟成させたパーフェクト(笑)な聞き方で話しかけました。
するとありがたいことに親切に教えていただきました。本当に命の恩人です。この場所を借りてお礼をさせてください。あの節はありがとうございました。
(ひきこもりの)自分にとって最上級の難関をクリアした担当O。
「やりきった」と意気揚々と教えられた道を進んでいきます。
その時はアドレナリンが出ていたのか足の痛みをあまり感じないようになっていました。
吹っ切れてみたら
そしてしばらく歩くと駅が見えてきました。お金などなく、持っていたとしても電車に乗れない私は線路を辿って家路につきました。
約3駅分の距離を歩くことになったので時間はかかりましたが日付が変わる前に家に辿り着くことが出来ました。
家族の車はもう家に戻ってきていて家には明かりが灯っていました。家にこそ着きましたが、家族に合わせる顔がなく家の中に戻ることは出来ませんでした。
その後は近所の公園のベンチでひたすら時が経つのを待ちました。
時間をつぶす道具もなく、寒空の下で家族が寝るのを待っていたのです。
近所の人でしょうか、何時間も深夜のベンチに座り続けている私を怪訝そうに見る方も居ました。
今思い返すと「他の人にそんな姿見せれてるのに家には帰れないのか」とも思いますが...(笑)当時の私にとってはそんなことを気にかける余裕はなかったのでしょう。
どれくらい経ったでしょうか、日付が変わって家の様子を見てみると明かりはすでに消えていました。
家の鍵が開いていたのは家族なりに心配してくれていたのでしょう。
まるで泥棒のように音を立てずに家に入り、シャワーを浴びて凍えた体を温め自分の部屋に戻りました。
気まずい?
そして翌日
「どんな顔をして会えばいいんだろう、話せばいいんだろう。」そんな風に考えて悩んでいた時、家族が部屋に入ってきました。
どんな話をしたのかは正直なところ覚えていませんが、世間話だったと思います。
驚きました、昨日の話を出してこなかったのです。
しどろもどろになりつつも会話をしました。今思えばその時に昨日の話をされていたら、私は持たなかったかもしれません。
その後落ち着いた頃に飛び出した時の事を話されました。
隠しきれない怒りの様なものは感じましたが、自分が飛び出した時どれだけ外食が嫌だったか等、腰を据えて話すことが出来ました。
私と家族、お互いに大変な思いをしましたが、心の内を話すきっかけにはなりました。
悪い方向に向かう分岐点は数知れなかったと思いますが、よくこの結果に辿り着けたと思います。
経験値
私が意を決して始めたちっぽけな冒険はこうして終わり、ほんの少しだけ生きやすくなりました。
「家出」をしたことでようやく自分の気持ちと家族の気持ち、価値観の違いを家族と共有できました。変な形にはなりましたが「外に出る」 「他の人と話す」そう言った事を経験として得ることが出来たという事も私にとって大きな収穫でした。
今回の出来事は今後私が動いていく際に大きな手助けとなってくれました。
他人(ひと)に「あなたは大丈夫」と言われるのより、”自分で出来た”という事実は「自分は出来るはずがない」と感じていた私の背中を大きく押してくれたのです。
おわりに
正直こんなことを皆さんに晒したところで私が恥ずかしいだけで得るものが無いのではないかと思えてなりません。
ですが当時の自分を思い返すと私は世界に独りぼっちでした。
普通の人から見たら「なんでこんなちっぽけな事で悩むんだ」と思われるような人が他にもいると知ってくれたらそれだけで嬉しいです。
と、言うことで話の終わりが見えないのでここで〆させていただきます。
実はこの後にも似たようなことが起こるのですが、それはまた別の機会にお話しできればと思います。
日記のようなものをここまで読んでいただきありがとうございます。
よろしければまた寄って行ってくださいね!それでは👋
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