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経験専門家の成長日誌 「あしあと」 7歩目

経験専門家の成長日誌「あしあと」7歩目

今回の閲覧難易度は…? ★★★☆☆

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目次n_ashiato_07-1.png

 

はじめに

こんにちは、コラム担当の担当Oです。

前回は家族会の説明のみで終わってしまいました。今回は前回の続きで、経験専門家として参加している私の視点での感想の様なものを書いていければと思います。

 

疑似リフレクティング!n_ashiato_07-2.png

家族会に初回参加の方がいるときによくする自己紹介として私は「経験専門家として当事者の立場でお話させていただきます」と挨拶させてもらっています。

いきなり主観的な感想になってしまうのですが、ご家族の皆さんのお話を聞かせてもらう中で一番思うのは「一番近いからこそ見えていない所があるんだな」ということです。

ひきこもりということでお悩みの方で生まれてからずっと引きこもりという方はあまりいないのではないでしょうか。

ご家族の皆さんのお話を聞いているとやっぱり元気だった時の事、ひきこもりに至る過程のお話を皆さんしているように思います。ご家族の皆さんが求める社会復帰の姿というものはその元気だった時に重なっているという風に私は少し思うのです。

 

もちろんその話が不必要という気はありません。そのお話がなければ検討もできませんからね…

私は今こうしてコラムを書いて社会復帰を果たしていると言えるのかもしれません。

 

~経験専門家として見た家族会~

しかし私がひきこもる以前の私に戻れたかというとそうではないのです。

過去引きこもりだったからこその葛藤、恐怖いろいろな束縛があります。ひきこもり以前の私が完成なのだとすれば私は全くその域に達していません。

ではそんな私が今なぜ経験専門家としてお話が出来ているか。それは「ひきこもりの自分でも存在してていい」そう感じることが出来たからなのではないかと思っています。
そういった面でこのコラムという物は担当Oさんの経験をコラムに綴ってほしいと墨田区さんからお声を頂いたこと、今読んでくれているあなたがいるという事が【過去も含めた今現在の自分】を認めてもらえる。
「こんな自分でもいいんだ」と今の自分を許すことが出来る様になる一助になると確信しています。

 

先の様に、私は今悩んでいらっしゃる皆さんにもひきこもりであった期間を無かったものにするのは難しいのではないか、“ひきこもりの自分“が認めてもらえる、家族から見た理想の自分ではなく”今現在の自分”を見てくれることが”前提として”必要なのではないか?また外への第一歩となるのではないかと思っています。

そんなこんなで私は今悩んでいるご本人と自分の状況を重ねて、自分がひきこもっているときどんなことを思っていたのか、もし自分がその立場だったらどう感じていたか。そして自分だったら動き出すためにどんなことをするのかについてお話しさせていただいています。

 

もちろん私は私の人生の中での経験しか話すことが出来ず、皆さんの気持ちが読めるわけではありませんので、参考にして欲しいといった感じなのですが、私が話していると皆さん新しい気づきやきっかけが見つかるようです。
逆に私が皆さんのお話を聞いてひきこもっている当時、家族に「察しろ」と思っていたけれどやっぱりそれは難しかった。ということに気づかされたり。それに対して私がひきこもっている当時家族に『察してほしかった』事をはなし、”もしかしたら”こう思っているかものお話しをしてご家族に「察する」事への新しい発見が見つかる。
とお互いにとって良い循環が生まれている感覚を覚えました。

最初は「他の人のため」と自分の経験を話していた私ですが、自分が昔悩んでいたこと、助けてほしかったこと。それを聞いてくれる。認めてくれる。そうした皆さんから貰うギフトで今まで汚点でしかなかった「ひきこもり」というものが強みになっていく。自分が楽になっていく過程を実際に見てもらう事でお互い”経験”していく。
これが”経験専門家として見た家族会”の一面ではないのかと感じています。

 

経験専門家≒通訳?

ご家族の皆さんのお話を聞いていると当時の自分がそうだったように皆“ひきこもりの自分”に見合う立ち振る舞い、ひきこもりに”なってしまった”という家族への負目で動きにくくなってしまっているのではないか?と、ご家族の話を聞くと思うことが多々あります。

私にとって毎日毎日を“やり過ごす”日々を送るというのは、本当に疲れるもので、毎日エネルギーを使い果たしていた...のですが、もしその“やり過ごす”ためのエネルギーを他に回せたら?当時の自分は考えもしていませんでしたが、今思い返すとやはり「ありのままの自分」でいいと思えた、気を張らなくてよくなった時というのは一つのターニングポイントであったように思います。

 

そんな経験もあって私はひきこもっている皆さんの「通訳」というものを頭にイメージしています。

知らない外国語を話す人がジェスチャーで何かを必死に伝えようとしてくれている
通訳が居なくても意思疎通が出来るとは思います。しかしエネルギーは使ってしまいますよね。そこに通訳が入ることで動くためにエネルギーを残すことが出来ますよね。そんなイメージです。

引きこもっていた時の私はなんだかそれに重なっているような気がしていて、伝えるのは気が引けるけど望んでいること、そんなことを一言の言葉、身のふるまい方の裏に隠して「察してほしい」と投げていたように思います。

ご家族のお話し等から悩んでいる方の"サイン"を拾い上げる、そしてその裏側に忍ばされた真の気持ちというものを分かりやすい言葉にして伝える。そういった意識で私は家族会等でお話を聞かせてもらっています。

これがもし1対1のいわゆる面談という形では「あなたのやり方は間違っていた」と言われているように感じてしまうことがあると思います。
そういった感覚が生まれにくいのが家族会という場で”答え”ではなく”発見”という形で「持ち帰る」 「持ち帰らない」も自由な場所だからこそ話せる。受け入れられる。
心理士、支援者、経験専門家(当事者) みな違う意見だから。一つの"意見"だからこそ出せる言葉が沢山あります。是非遊びに来てくださいね。

(初回の方は見学からのスタートとなります。)

 

おわりに・まとめ

 

ということで2回にわたってお送りしてきた家族会というテーマは終了となります。

最後の方は気持ちが筆に乗って少し脱線してしまったようにも思いますが大丈夫でしたか?

読んでいて疲れてしまった方、よくわからなかった方いらっしゃると思うので最後に家族会についてまとめると

 

家族会は“解決”ではなく“発見”を得る場 ※個人の感想

 

私が伝えたいのは↑の一文それだけでまとまってしまいます。(笑)

そんな家族会、R5.10月現在、基本第三日曜日に本所で実施されています。私も大体参加させてもらっていますので、興味がある方は家族会のページもご確認くださいね!

 

shima00.pngさてさてブレブレになってしまいましたが今回はここまで!

成長日誌と言いながら日常風景があまりありませんね、少し考えてみます。

では、次回もよろしければ見ていってくださいね!

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