経験専門家の成長日誌「あしあと」15歩目
経験専門家の成長日誌「あしあと」15歩目
今回の閲覧難易度は…? ★★★☆☆
皆さんこんにちはコラム担当、担当Oです。
今回は前回に引き続きアトラクションに例えたお話をしていければと思います。
今回例えるアトラクションは『ジェットコースター🎢』です。
絶叫系ばかりですね(笑)
それでは本編です…
皆さんにとってジェットコースターはどのような物でしょうか?
楽しむ人、怖い人、色々いらっしゃると思います。ですが今回は例えの話。
今回の舞台になるのは皆さんが考える中で一番怖いと感じるジェットコースター。
座席に乗り込み安全バーを下ろしていざ出発です。
正直乗り気ではなかった貴方。坂の頂点近くで下り坂の先を覗き込みますが暗闇で終わりが見えません。
恐怖で降りようにも乗ってしまった以上降りることは出来ません。
そしていよいよ頂点。車体は加速をはじめ終わりの見えない下り坂を下っていきます。
これが何を例えているか、分かるでしょうか?
安全バーが下りてから落下の直前までの感覚を思い浮かべてください。
実はこれはひきこもり支援員さんとコンタクトを取る前の私の心情なのです。
どんな人が来るんだろう?話しても大丈夫だろうか?部屋から引きずり出されるのではないか?
私の場合支援員さんと関わるきっかけは親の依頼でしたので支援員さんというのは恐怖でしかなかったのです。
依頼を受けて支援に来ている以上、結果を求めてくるだろうということは想像に難くなかったので、どのように自分の身を守るかを必死に考えました。
その時にまず真っ先に考えたのが「一度何かを達成してしまえば一巻の終わり」ということでした。
というのも、一度何かが『出来てしまうと』じゃあこれも、あれもと何かやらされてしまうのではないかという恐怖、というよりも確信があったのです。
というのもひきこもっていた時…というか今もですが所謂普通の人ならそつなくこなせるようなものも私にとっては多くのエネルギーを使うからなのです。
自分にとって大きなエネルギーを使って「頑張った!」と思ってもそれは普通の人から見れば普通の事なのです。
もちろん、今までできなかったことが出来るようになることで周りの人は喜んでくれると思ってはいました。でも一方でそれを達成するために消費したエネルギーの量の事を感じ取ってくれるとは思えませんでした。
そして「疲れた」などと伝えようものなら失望されることも分かり切っていました。
自分も壊れて周りにも失望される。こんなに恐ろしいことはありません。
支援員さんはそこもくみ取ったうえで支援してくれるとは思いますが、当時の自分にとっては“最悪の結果”だけが頭の中を駆け巡り、「これが出来たならあれも、これも」となるのであれば初めから何もしないと、支援を拒否していたという経緯があるのです。
これを端的にまとめたのが先程の“ジェットコースター”の例えです。
この私の考えと実際の支援の形で違ったのが“スモールステップ”というものでした。
“ステップ”という言葉が示す通り、実際の支援は一歩進んで一歩止まっての繰り返しでした。支援を行う際にも周りの家族等の願いというよりも当人がどう思うかを優先してくれました。
当時考えていたこと、そして実際に受けて感じたことを通じて思うことは、家族が焦らず、そして悩んでいる当人も焦らないということが一番楽だったということです。
「社会から離れる期間が長くなればなるほど戻ることが難しくなる」と言われることもよくあります。そんな中で焦らないという事は至難の業ではないでしょうか?
そこで活躍してくれたのが支援員さんだったのです。
未来の方向性を一緒に考えていくことで家族が焦らずに居ることが出来る。
家族が焦らなくなることで悩んでいる本人も焦らずにいられる。
勿論皆さんにとっての正解は人それぞれだと思います。
もしも皆さんにとって「この状況自分に似てる!」だったり「どこから手を付ければいいか分からない」なんてことがありましたら、選択肢の一つに加えてもらえますととても嬉しいです。
ではでは、アトラクションのお話は今回でおしまいです。長々とお話してきましたがひきこもりにとっての挑戦というものがバンジー、ジェットコースターに乗る前の気持ちに似ている(個人的に)と伝わると嬉しいです。
それではまた次回!新しいアトラクションが追加されたらまたお話しさせていただきます。バイバイ!
【今後のコラム更新頻度についてのお知らせ】
前回に告知させていただいた通り次回の更新より隔週更新となります。次回の更新は5月10日(金) 12:00 となります。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------
このコラムでは経験専門家に聞いてみたいこと、話してみたいこと、テーマ、またご意見ご要望についても募集中です!
メッセージを送っていただける方は、当HPのお問い合わせフォームよりコラムについての事と明記の上お送りください。
お送りいただいた内容については個人情報等を抜いたうえで当コラムに掲載させていただきます。伏せておいてもらいたいこと等はお送りいただく文章にて提示をお願いいたします。
また確実な掲載をお約束するものではありません。ご了承ください。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------