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経験専門家の成長日誌「あしあと」#20「これってひきこもり?」

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#20「これってひきこもりなんですか?」

 

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〇寄せられた質問について

ひきこもり相談窓口にてお話を聞いているときに、寄せられる質問があります。
それは、「これってひきこもりなんでしょうか」という質問です。
「部屋からは出るんだけど」
「近所散歩したりはしてるんですけど」
と、人によって状況は異なりますが、その時おっしゃるのは、「テレビで観たようなのと違ってるので」ということです。

この現象には考えるべき大切なことが隠れているような気がしています。
どうして、こうした質問が生まれるのでしょうか。
どういった点で、大切だと言えるのでしょうか。スクリーンショット 2025-04-28 170136.png

そこで、こちら第二回ひきこもりコラムでは、「これってひきこもり?」ということで、ひきこもりの定義と、わたしの事例の話をしたいと思います。
というのも、いまこれを書いているわたし自身が、これを言われた経験があるからです。

それでは、まいりましょう!

 

〇ひきこもりとは?

ひきこもりといと、どうしても「部屋から一歩も出られない」「ずっと座ってたり寝てたりしてる」というイメージを持ちがちかもしれません。
ですが、実は、ひきこもりという言葉には定義があります。
厚生労働省が公式に発表しています。

様々な要因の結果として社会的参加(就学、就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家 庭にとどまり続けている状態を指す現象概念(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)

というものです。
意外と感じる方もいるかもしれませんね。
しかし、ひきこもりとはいいますが、「外出」をしていても、ひきこもり状態の範疇に入るのです。

ここでもうひとつ、定義について大事なのが、「広義のひきこもり群」「狭義のひきこもり群」「準ひきこもり群」という考え方です。
厚労省の定義では、①「部屋から出られない」②「部屋からは出るが家から出られない」③「近所のコンビニなどには出かける」④「趣味の用事の時だけ出かける」を、分けて捉えています。
1~3までが「狭義のひきこもり」、4を「準ひきこもり」といい、これらすべてを包括して、「広義のひきこもり」という言い方をするのです。

どうでしょう。かなり広い範囲をさす言葉であることが、分かるのではないでしょうか。
テレビを見ると、薄暗い部屋で座っている男性の姿がいまだに映されます。
「これってひきこもり?」と質問された方も、そういったイメージを持っているのかもしれません。
しかし、みんなが部屋の中で体育座りをしているわけではないのです!
そういった場合もひきこもりだし、そうでなくてもひきこもりとして考えられる…。
今回は、そのことをぜひ知っていただきたいと思います!

 

〇ちなみにわたしは?

さて、そういう私の事例も、軽く触れておきたいと思います。
実は、私の場合「部屋から出られない」時期はありませんでした。

私がひきこもり始めたのは、ちょうどコロナ禍の直前の時期。
強迫的に感染が怖くなり、どうしても家から出られない時期はありました。
その後、だんだんと近所を歩くことが出来るようになっていくのですが、そんな時期が随分長く続くのでした…(詳しいお話は、また次回以降にてお話ししたいと思います)。

でもだからこそ言われたのです、電話口の家族に。
「なんだ、ずっと部屋の中にいるんだと思ってた。平気なんだね」と。
もしかしたら、同じような経験のある方もいるかもしれません。

悪気は全くないと思うし、わたし自身、気にするほどのことでもありません。責められることはありませんでしたから。
ですが、そういったイメージが依然強いんだな、とは感じます。
それによって苦しめられたり、人から責められたりする方も(ひきこもりじゃないだろ、大丈夫だろ!と…)、いるかもしれません。
そう思うと、やっぱり、この定義の問題は大事じゃないかなと、そう思うのでした。

 

〇まとめ

最後に、今回のテーマについて、大切だなと私が考えた点について、まとめておきたいと思います。
①    ひきこもりは、思っている以上に範囲が広い!
②    ひきこもりなのかどうか、わからないことで不安になったり、人から責められたりする方も、いるかと思います。そういった方が、知識を得るきっかっけとなっていれば幸いです。
③    また、もしこれを読んでいる方のなかで「自分はどうなんだろう」と迷う方がいらっしゃったら、そんな方の参考にもなれればと思います。

終わりになりますが。
私自身を振り返った時に、「社会への参加や、人と交わる事を希望している」のに、それが出来ないというのは、苦しいことでした。
もし今回のコラムを読んで、同じようにそういったことで悩んでいる方がいたら、ぜひ相談してほしいなと思っております。
では今回はこの辺で。
読んでいただき、ありがとうございました!

 

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