経験専門家の成長日誌「あしあと」#35「エネルギー」
経験専門家の成長日誌「あしあと」~墨田区ひきこもりコラム#35「エネルギー」
目次
1.「エネルギーが不足している」
2.ひきこもり当時…時期ごとの違い
3.エネルギーが回復するために大切なこと
4.おわりに
1.「エネルギーが不足している」
新しいことをするには、誰しもエネルギーがいるもの。
とはいえ、外からは見えにくいこの話。
「やる気がない」と思われてしまうことも、あるかもしれません。
特にひきこもりに関するお話では、よく聞かれる疑問かと思います。
今回、これについて、
・私自身の経験について、時期ごとの変化も交えつつ
・「新しいことをする」「動き出す」ために必要なこと
を軸に考えたいと思います。
よろしくお願いします。
2.ひきこもり当時…時期ごとの違い
ひきこもりに至る背景は、当然一人一人で異なるものです。
ただ、よく見られるのは、学校や仕事、人間関係など置かれた環境の中で、無理を重ね、傷つきが多かったことで、心身のエネルギーが低下していった、ということ。
頑張ろうという気持ちだけでは、思うように動けない状況に置かれている、ということです。
自分自身は、どうだったか。
時期ごとにまとめてみました。
(※以下、エネルギーを数値化していますが、あくまでひきこもり以前の私と比較しての個人的感覚であり、医学的・客観的な基準ではありません。ご了承ください)
🌙最初の一年は、病気の療養で精いっぱいだった。コロナ禍もあり、やっとの思いで家の周りを歩くのが限度。今と比べ物にならないほど「出来ない、苦しい」が日常の中に細かくあり、毎日・毎時間ストレスにさらされている状況。
エネルギー:10~20
🌙🌙だんだん「落ち着ける生活スタイル」を自分の中で作れるようになる。好きなことをできる時間も出て来て、病気も少しずつ良くなった。日々悩みや不安はあれど、「日々大きな苦なく過ごす」ということができるようになってきた。
エネルギー:30~40
🌙🌙🌙2~3年目にかけて、動ける範囲が広がっていった。エネルギーがたまってきたことで、「勇気を出して何か新しいことをする」ということができるようになった。この頃、支援機関に自ら連絡。家がより安心できる環境になったこともあり、「行ってみたいところに出かけてみる」機会も増加。
エネルギー:50~70
🌙🌙🌙🌙その後は、有償ボランティアや資格取得のための実習など、外への参加を経て、自信がついた。友人らと会う、趣味の集まりにいってみるなど、社交もするようになっていった。ほどなくして仕事を開始。
エネルギー:80~90
いかがでしょうか。
こうして整理すると、自分でも発見があります。
①家の中で落ち着ける生活スタイルを作れたことが、その後の回復につながったんだな
②新しいことをする、というのが大きなハードルとしてあったんだな…それをできたのは、親や他の人の助けがあったのも重要だったなあ
③大きな苦なく過ごせるようになった→勇気出して出かけることができた、という流れが大事だった…。もしその前に、「大丈夫そうだから」と親に後押しされていたら、逆効果だったな。
こんなところでしょうか…。
3.エネルギーが回復するために大切なこと
これを読んでいる保護者の方も、あるいはひきこもり渦中にある方も、「これからどうなるのか」と、悩むかと思います。
そんなときは、ぜひこのコラムを参照してみてください。
🌙エネルギーは、回復していくということ。回復力を持っている、ということ。
🌙回復させていくためには、まずは「本人にとって少しでも落ち着ける生活」「安心できる関わり方」など、環境づくりが必要、ということ。
そもそもつらい心理的状況にあった中で、ひとまず落ち着けるだけで、相当に大きいということ。
🌙焦って「動けそうだからと声かけ・後押し」するのではなく、「あ、いまようやく落ち着ける生活を作れてきた状況なんだな」「エネルギー、少しずつ回復してるんだ」と考えること。
一見何もしていないように見えて、その実、心は大きく動いているかもしれません。
「大きな苦なく過ごせる」
「自分なりの落ち着く生活スタイルを作れる」
「したいことをしてみる」(家の中ででも…)
それだけで、本人からしたら本当に大きなことです。
「勇気を出して新しいことを始める」
「違う場所に出かけてみる」
「家以外の何かに参加してみる」
これも、なかなか出来ないことです。
急がば回れ、ともいいます。
その小さな変化が、エネルギーの回復、ひいては外に動いていく力に繋がっている、と私は思います。
4.おわりに
思えば、「新しいことをする」のにすごくエネルギーがいるというのは、少なからず、みんな経験があることかもしれません。
身に覚えのある方もいるのではないかと思います。
新しいところに行くには、まず自分のいるその場所・日々が安心であること。一緒にそばについてくれる味方がいること。
もちろん、ひきこもり状態の場合、とりわけ強くそれに不安を抱える、エネルギーを要するという違いはあるかもしれません。
ひきこもり状態の場合、新しいことというより、日々の生活がままならない場合も少なくない(起きる、お風呂等)。
ただ、ひきこもりに限らず、いろいろな悩みを抱える皆さんに共通する部分もあるのではないかと思います。
今日はぜひ、そんな理解を持っていただけたらと思います。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
それでは、また来月。
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